地塗り剤ジェッソの魅力

板や人工物などにアクリルガッシュなどで絵を描いてみたいと思ったことはないですか?
私は学生の頃、B1サイズ(人一人分くらいの高さのサイズ)の大きな板に作品を描いていました。初めてB1サイズで描こうと思ったのは卒業制作がきっかけでしたね。どうせならでっかい作品で学生生活を終えたいという気持ちと、面倒くさがりの気持ちが半々な感じであったのでそう決めました。
(自分はデザイン科だったので、デザイン専攻でしたが、デザイン、印刷、DTPなどを学ぶうちに、これを卒業制作に取り入れたら相当大変だぞ。。と思い、ガッツリ絵を描くだけの一年間にしようという計画を画策して実行していました。)

と、余談はここまでにしておき本題です。
絵を描くキャンバスは自由自在で、壁やら板やら、石までもがキャンバスになり得るんですよね。大きな作品を作ろうと思えば思うほど素材が異質なものになりやすいです。
その素材を活かして作品を作ることもできますが、私のように大きな板に普通に描きたいという人もいるでしょう。しかし、普通の板に描こうとすると、案外凸凹が多く、しかも地の色が邪魔すぎて描きにくい現実にぶつかると思います。この私がそうでした。
なんとか表面をフラットにできないかと調べてたどり着いたのが「ジェッソ」でした。

 

あらゆる素材の地塗りとして


ジェッソはアクリル系樹脂でできた地塗り剤で、強い隠蔽力があります。基本的に白色で、地の色を変えたいときなどに使用するものですね。
他の絵の具とも混ぜることが出来るので、赤系や黄系などさまざまな色の地を作ることができます。白色であれば白い部分の発色が良くなります。描く絵に合わせて使い分けましょう。

ジェッソの使い方


程よい粘着性があり、小さな凹凸は埋めてくれるので全体的にフラットな表面にしてくれます。ジェッソそのものは純度が高すぎるので、2割ほど水で薄めて液状ですので重ねがけを繰り返しながら塗布していきます。木の板であれば、大きめの刷毛やローラーなどで全体にまんべんなく塗布していきます。この時、一方向からの塗ではなく、最初に縦に全体を塗り、次に横に全体を塗るという感じに十字を繰り返すように塗ると、全体がフラットな表面を作りやすいです。(ヤスリがけをするともっと良い質感の下地を作ることができます。)
不規則な塗り方や、一箇所に偏った塗り方をすると、そこだけ表面が盛り上がった状態になってしまうので、絵の方向性に合わないのであれば避けると良いです。

ジェッソの種類


ジェッソには幾つかあり、基本的に粒度(きめ細やかさ)の違いがあります。
きめ細かいジェッソ、多少ざらついたジェッソ、めっちゃざらついたジェッソと、大まかに分けるとこんな感じです。
筆やペンを使って絵を描きたい人は、基本的にきめ細かいジェッソを使うといいでしょう。粒子の荒いジェッソは、表面がゴツゴツしているので、作品の質感を際立たせる時に有用かもしれません。

カラージェッソ


ジェッソは基本白色ですが、色がつけられたジェッソも売られています。
自分で白ジェッソにアクリル系塗料を混ぜて作ることも出来ますが、手間を省きたいときには使ってみると良いと思います。

さいごに


ジェッソは粘着性も高いのであらゆる素材に使えると思いますので、材質の凸凹やキャンバスの凸凹をなくしてフラットにしたいという方、地の色を白や思い通りの色にしておきたいという方にはおすすめです。