水彩で紙がたわまない「水張り」

水彩やアクリル、ポスターカラーで絵を描くときには、大体水彩用の紙に描くことがほとんどだと思います。
しかし、紙は水を含むとぐにゃぐにゃとたわんでしまいます。
水彩クロッキーや習作では特に気にしないところなのですが、一つの作品としてキレイに保存しようとすると、やはりたわみの部分は気になるのではないでしょうか。
今回は、そのたわみをなくすための手法、「水張り」について簡単に紹介してみたいと思います。

水張りとは


使用する紙をパネルに固定して、水分を含んでもたわまない用に補強する手法です。紙を常に全方向から固定するため、紙が水を吸ってもたわみにくくなるのです。
用意するもの
パネル
水張り用テープ
刷毛(はけ)

手順


パネルの用意
使用する紙より、一回り大きいパネルが必要です。
小さくても、紙をパネルに巻き付ける方法で出来ますが、今回は割愛させていただきます。
パネルを水平な所に置きます。
パネルの上に紙を置き、紙を貼り付ける場所を決めます。
その時、紙の周辺には必ずパネルが見えるように置きます。パネルの中心に紙が来るようにするのが良いです。
紙の辺より少し長めの水張り用テープを切っておきます。
紙を貼り付ける際に、テープでガッチリ固定できる用に、紙の辺にあまりが出ないようにするのがポイントです。
刷毛に水を含ませ、紙全体に素早く塗りまくります。
これはもう紙がびしょびしょになるくらい塗っちゃって下さい。
一旦紙を極限まで水びたしにします。
そして全体を浸せたかなという所で、紙の辺をすべて先程切り取った水張りテープで固定します。
貼り付けに成功したら、余った水をタオルなどで優しく拭き取り、紙を乾燥させたら水張りパネルの完成です。冬場など、乾燥が遅くなる季節ではドライヤーなどを遠くから当てて水を飛ばすのもいいと思います。
おそらく、パネルにピタッと張り付いている状態になっていると思います。
これでたわみを気にすることなく水彩を行うことが出来ますよ!
全方向から常に引っ張られている状態を維持して、水をかけてもたわみを抑えるという方法ですね。
絵が完成した時はカッターやデザインナイフで切り抜いて額縁などに飾りましょう。
描き始める際に、切り抜く線をあらかじめ描いておいてトリミング範囲を決めておくと、制作しやすいと思います。定規を使えば真っ直ぐに切れるので、作品側を傷つけにくく出来ます。
少し手間はかかりますが、たわみが気になる方は、この「水張り」がおすすめですよ!