ニューファンド

造形にはその元となる素材が必要なのですが、その種類の一つが粘土です。
今回は造形の中でも比較的多く使われている紙粘土タイプの粘土「ニューファンド」についてちょっとお話。

紙粘土は、皆さんの子供の頃にもお馴染みなのではないでしょうか。紙粘土に水を混ぜて柔らかくし、形を作る使い方ですね。

ニューファンドは商品名なので紙粘土は他にも沢山種類がありますが、私が使っていた紙粘土ということで、今回は造形の流れを含めてライトに紹介します。

 

ニューファンドの特徴


ニューファンドは比較的きめ細かい作りで、細かな造形が得意な粘土です。
袋から取り出した時は少し硬めですが、水を適量混ぜた後に軽く練り続けると柔らかくなってきます。
造形に適した硬さはおよそ耳たぶほどの硬さがちょうど良いと思います。

 

乾燥


大まかな形が出来たら、いったん粘土を乾燥させます。夏場であれば10分ほどでカチコチになると思います。冬場は少し乾燥が遅くなるので30分から1時間はかかるでしょうか。
暖房やドライヤーなどで乾燥を早める事ができます。

 

切削


固まったらさらに細かい造形に入ります。固まったニューファンドを想像する形にするには、刃物やヤスリで削って造形を行います。刃物でオススメはデザインナイフですね。元々デザイン制作用に作られた刃物なので細かい切削ができるのです。刃先が尖ったものから、丸みを帯びたものなど、色々あるので用途に沿って使い分けると便利です。
他には彫刻刀があります。これは木版画などで使った事もある人もいるかと思います。大体は木版画と同じ扱いで問題ないです。細かい溝やディティールを切削するときに活躍します。

 

盛りつけ


そして、粘土造形には欠かせないのはやはり「ヘラ」ですね。
粘土の大まかな形をとる初期から使用します。人型の造形であれば細かいくぼみや細かい部分のラインなど、使い方は多岐に渡ります。粘土造形の1番の働き者です。

硬くなった粘土とは別に、また柔らかい粘土を作ります。それをヘラで硬くなった粘土に練りつけて盛りつけます。これが粘土造形の楽しいところで、削るだけでなく、盛りつけて形を作っていきます。

 

細部の造形


程なくするとまた固まり始めるので、余分な部分はナイフで削り落としていきます。
削り落としたカスは捨てずにまた再利用します。木を削って造形する木彫りとは違い、紙粘土の削りカスは水を取りこみます。
なので、水を含めた後練り込むとまた盛りつけに使える粘土へと変身するのです。これが紙粘土のエコなポイントですね。材料を最後まで使い切れます。

 

彩色


完成形ができたら、次は彩色です。フィギュアの世界ではここからプラスチックの素材に複製と続くのですが、今回はこのままアクリルガッシュで色付けする流れで紹介します。

固まった紙粘土に直接アクリルガッシュを塗ると、紙粘土の特性である水分の吸水性が発揮されてドロドロになってしまいます。それを防ぐにはサーフェイサーが効果的です。
サーフェイサーは撥水効果があるので、水分を含む材質のものでも、水の吸収を抑えてくれます。
筆で濡れるタイプもありますが、スプレータイプを使うと均一に塗布できるので便利です。

アグリルガッシュを塗った後は乾燥させて完成です。

 

削っても持っても楽しい粘土造形


ざっくりとですが紙粘土での造形の流れを紹介してみました。
ナイフで切削し、ヘラで盛りつけて徐々に形になっていく粘土造形はとても楽しいので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?